エアコンや冷蔵庫、電気自動車など、私たちの身の回りにある多くの機器に使われているインバーターモーター。知らず知らずのうちに、私たちはこの技術の恩恵を受けています。では、実際にインバーターモーターとは一体何なのか本記事では、インバーターモーターについて詳しく解説していきます。
3分でわかるインバーターモーターのお話
2025年09月11日
インバーターモーターとは?
インバーター(周波数変換装置)によって電源の周波数や電圧を変化させて回転数を制御するモーターのことです。
通常のモーターでは商用AC電源(50Hzや60Hz)で一定の速度でしか回転できませんが、インバーター装置を使うことで モーターの回転速度などを自在にコントロール できるようになります。
一般的なインバーターモーターの基本的な仕組み
モーターの回転数をインバーター(周波数変換器)によって制御することで、効率的かつ柔軟な運転を可能にするものです。以下にその仕組みを解説します。
1.電源入力
商用電源(AC100V/200Vなど)をインバーター装置※1に入力
2.変換(一定AC→DC→可変AC)
インバーター装置が交流を直流に変換(整流)→周波数を変換して交流に戻す(逆変換)※2
3.モーター駆動
生成された可変周波数・可変電圧がモーターに供給され、回転数が制御された状態で運転されます。
つまり、周波数を上げれば早く、下げればゆっくり回る、という仕組みです。
※1:インバーターとは、電気の流れを変える装置です。いったん交流(AC)を直流(DC)に変え、そこからもう一度交流(AC)に戻します。このとき交流の「周波数」や「電圧」を自由に変えられるので、モーターの回転数などをコントロールできます。
※2:インバーター回路内の半導体スイッチングによって、電圧や電流を高速に「オン/オフ」させることで、周波数や電圧を生成しています。
通常のモーターとインバーターモーターの違い
項目 | 通常のモーター | インバーターモーター |
回転数 | 一定(50Hz/60Hz依存) | 可変(広範囲で制御可能) |
速度調整 | 不可(ギア等が必要) | 簡単に制御可能 |
消費電力 | 多め(常に全力運転) | 省エネ(必要分だけ供給) |
インバーターモーターの主な用途
1.産業機械
・工作機械(CNC旋盤、フライス盤など):
回転数を精密に制御
・搬送装置/コンベア:
速度を可変にして効率的な搬送
2.空調・家電
・エアコン/冷蔵庫:
消費電力を抑えながら効率的に運転
・洗濯機:
脱水や洗濯時にモーターの回転数を柔軟に制御
3. 自動車
・電気自動車(EV)/ハイブリッド車(HV):
高効率で駆動を制御
・電動パワーステアリングやポンプ:
精密なトルク制御
※EV(電気自動車)はバッテリーを使用するためDC(直流)→AC(交流)変換でモーターを駆動します。そのため必ずインバーターが必要となります。
4.インフラ・エネルギー
・ポンプ・送風機:
必要な風量・流量に応じてモーター回転数を制御
・再生可能エネルギー設備:
風力発電や太陽光発電システム内の制御
5.エレベーター・エスカレーター
・加減速を滑らかにし、省エネかつ乗り心地を改善
インバーターモーターは「速度などを柔軟に変えられる」特性を活かして、省エネ・高効率・静音化・快適性が求められる分野で活躍しています。
